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Nr. 394 Januar 2014
今回は、Freyensteinという小さな町がテーマとなっています。この町は、人口950人ほどのBrandenburg州の極小さな町ですが、13世紀にはすでに存在し、その後消滅し、耕作地の下に埋もれてしまったということです。消滅したということでは、火山の噴火により埋没した古代ローマのポンペイに例えられていますが、この町の消滅は、どうも地形上の理由によるものと見られています。
この町の発掘は、当時まだ学生だったThomas Schenk氏が1999年にFreyensteinを仲間と訪れたことがきっかけでした。その後、彼は幾度となく同地を訪れ、発掘調査技師としてその後の発掘を手がけた結果、城塞、中央広場、舗装道路、地下室、井戸の跡など、町を形成していた主だった遺跡を発見していきます。彼らの発掘作業はとても地道なものだったと推測しますが、それだけに学問上重要なこの遺跡の発見をした時の驚きや喜びは相当大きかったものだったに違いありません(その時の彼らには、ひょっとしたらトロイの遺跡を発見したシュリーマンと同様の感激だったかもしれません)。
彼にとってはしかし、発掘作業はまだ完了していないようです。とういうのも、当時の信心深いキリスト教徒が教会に通っていたに違いないことを考えれば、その教会跡を発掘して初めて、彼のFreyensteinの発掘は完了したと言えるからです。彼らの今後の発掘作業の幸運を祈りたいと思います。今朝の朝日新聞の報道により、1300年前の津波跡を静岡県の地学部の高校生たちが研究者とともに発見し、記録にない津波の存在を明らかにしたことを知りましたが、今回の課題に取り組んでいたため、この新聞記事をより興味をもって読みました。
K. K.