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Nr. 528 März 2025
さて、今回はモチベーション・動機付けが話題になっています。
人を行動に駆り立てるものは、モチベーション・動機づけと呼ばれます。これが人の内面から湧き出る場合、内発的モチベーションといい、外部からの刺激により左右される場合は、外発的モチベーションといいます。モチベーションは、人々が目標を達成するよう促します。モチベーションを持っている人は、より集中力があり、そのモチベーションのおかげで困難を克服するのも容易になります。動機付けされた人々はまた、情報をより効率的に処理し、これを記憶する能力が高いですが、動機付けがほとんどない人は、多くの情報をまたすぐに忘れてしまいます。
コンスタンツ大学のスポーツ心理学の教授であるシューラーさん(Frau Schüler)は、モチベーションは、軽い形の執着・熱狂として理解しています。目標を達成することができるために、いわばすべてをその目標に合わせます。内発的に動機付けされた人は、しばしばその活動自体を一種の目標と感じます。一方で、しかしながら、外発的モチベーションとして、罰や報酬も影響を与えます。
シューラーさんは、しかしながら、この外発的モチベーションを非常に肯定的に捉えています。というのは、外部からの刺激が人々にしばしば何かを始めるきっかけを与えてくれると考えるからです。その後、人々は内発的なモチベーションに変る可能性のある励みになる経験をする機会も得られます。
自分自身に動機付けをする時、目標は重要な役割を果たします。その目標が、人々をやる気にさせる効果を発揮できるようにするために、どのように設定されていなければならないかは、人によって異なります。成果を重視する人は、簡単すぎず、また難しすぎない目標を選択します。なぜなら、中程度に難しい目標は人に自分の能力について特に多くのことを教えてくれるからです。それは達成できる可能性がある一方、失敗する可能性もあるからです。
しかしながら、失敗を恐れ、あまり成果志向でない人は、むしろ非常に難しい目標か、または非常に簡単に達成できる目標を選択します。成果が問題になるとき、ある目標は、そのために努力が必要ですが、決して過大ではない場合において、やる気を起させると感じます。
しかしながら、ほとんどの場合、特定の成果についての話ではありません。例えば、机の片付けをやっと始めるために自分を奮い立たせることもできます。そのような作業では、すぐにポジティブな変化を感じ取れます。そのようなことは楽しく、そこに意義も感じます。また、他の人と一緒に何かをする場合、例えば何かの団体においては、とてもよくやる気を引き出せる人もいます。
人を動機付けるものは、しばしば自分自身の環境にあるものです。それはしばしば特別な機会や特定の状況であり、ある人々にとっては他の人にとってより特により魅力的に感じられます。ある状況が魅力的なものとして経験されるかどうかは、人それぞれに異なる程度で備わる、性格的な特性のような動機によります。これらの動機の中で特に顕著に見られるのが、親和動機〔人との結びつきからの動機〕、達成動機、そして権力動機の3つです。強い権力動機は、他者に影響を与え、導き、指示することを結果としてもたらします。これは時には、命令を出すことを意味する場合もありますが、多くの場合、他者に何かを教え、他者を導くことができることを意味します。
達成動機が強い人にとって、自分自身の成果は重要な役割を果たします。つまり、それは自己目的としてであり、他者に優越感を感じるためではありません。強い達成動機を持つ人は、困難な目標を達成することに魅力を感じます。例えば、数週間前よりもスポーツにおいてより多くの成果を上げるなどして、自分自身の成果を上げることに魅力を感じます。そして、親和動機が強い人にとっては、とりわけ他者と一緒に何かを成し遂げたときの良い感覚が重要です。ただし、そのためには、明確な方法を定め、全員に安心感を与える共通の目標をグループ内で持つことが必要です・・・。
さて、今回の話題を通じ、私はモチベーションには内発的と外発的があること、つまり自分の興味や楽しさを原動力とする動機付けである内発的モチベーションと報酬、評価や懲罰などの外部要因によって動機付けされる外発的モチベーションがあることを改めて知りました。指摘されればなるほどその通りなのですが、今までの生活の中ではモチベーションとして一括りに捉えておりましたので、内発的と外発的を区別したり、意識したりすることはありませんでした。また、人間には親和動機、達成動機、そして権力動機の3種類の動機・モチベーションがあることも初めて知りました。達成動機は内発的モチベーションと関連性が高く、権力動機は外発的モチベーションと関連が高いようです。そのモチベーションについて、テキスト冒頭で「モチベーションは多くの資源を解放・放出する」„Motivation setzt viele Ressourcen frei.”と表現しています。この文は人間の能力、エネルギー、創造性などの資源を放出するという点では非常に肯定的な響きを持っているように感じます。
さて、人が目標を設定することに関してミュンヘン工科大学の心理学教授のケール氏が指
摘している箇所がおもしろいと思いました。特に適度に難しい目標を掲げることは失敗も
あれば、成功する可能性もあるので、妥当だという考えは参考になります。一方で、簡単
すぎる目標、難しすぎる目標設定に関してはちょっと異論を挟みたくなります。時には簡
単な目標を設定し、小さな達成感を得ることも必要だと思いますし、別の機会には難し過
ぎる目標に挑むことも必要ではないかとも思います。このラジオ番組を聞いたリスナーの
皆さんはどう思ったのでしょうか。
ところで、シューラー教授(Professorin Schüler)は、モチベーションは、「軽い形の執着・熱狂」„eine milde Form der Besessenheit”として理解しているといいます(この言葉はテキストによればデシャーム氏が最初に唱えています)。彼女の言及しているこのBesessenheitと言う単語ですが、私は今まであまり目にしたことがありませんでしたので、これを機会に調べてみました。その元の形容詞besessenについて手元の独和辞典には「悪霊・感情などにとりつかれている、つかれたような、夢中の」と説明されています。Besessenは、動詞besitzenの過去分詞なので、「所有している」という意味が含まれ、何かに「所有されている」という意味になるようです。また、Duden独独辞典で調べてみると、以下の通り、二つの語義が掲載されていました。
a) (Im Volksglauben)von bösen Geistern beherrscht, wahnsinnig:
wie vom Teufel besessen sei, man hielt ihn für besessen
「(民間信仰で)悪霊に支配されている、狂気じみている」。例文として「悪魔に取り憑かれたように」と「人は彼を何かに取り憑かれていると思った」が記載されています。
b) von etwas völlig beherrscht, erfüllt: von einer Idee, einer Vorstellung besessen sein, er arbeitet wie besessen, wie ein Besessener
「何かに完全に支配され、満たされた状態」。例として、「あるアイデアや考えに取り憑かれている」、「彼はまるで取り憑かれたように働いている」、「まるで狂信者のように」が列挙されています。
こうした事例から見ると、私にはBesessenheitという語はやや否定的な意味を持っ
ているように感じますが、インターネットでは肯定的な意味を有する事例もあるよう
です。言葉は使用される状況により意味合いが変化することがありますので、
Besessenheitについても一面的に捉えることは適切ではないのかもしれません。
ところで、今回のラジオ放送で何回も出てくるZielという単語ですが、最近のNHKのラ
ジオドイツ語講座で紹介されていたDer Weg ist das Ziel.(「道のりこそが目的であ
る」)とういう諺を思い出しました。これは結果そのものだけでなく、その結果に至る過
程や経験も重要であるという意味のようですが、ドイツ語学習についても言えるかもしれ
ませんので、心に留めておきたいと思います。
K. K.
