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Nr. 518 Mai 2024
今回は「一人で生きる」(Alleine leben)ことが話題になっています。
多くの人々は、一人暮らしをしていることは全く悪くはないと思っていますし、実際、かなり良いとさえ感じています。このテーマについて、ビーレンベルクさん(Frau Bielenberg)は、ヴァイヒャートさん、(Herr Weichert)とライヒェンバッハさん(Frau Reichenbach)と話し合いました。彼らはどちらも子供を望んでいませんでしたが、別のパートナーを常に探すこともありませんでした。彼女は実際にはフランス人男性と12年間結婚していました。彼らが別れたときは、彼女はほっとしました。彼は以前、2年間パートナーと一緒に暮らしていましたが、少し飽きてしまったようですし、彼女もひょっとしたらそうだったかもしれません。彼女は、どこかに落ち着きたかったと表現しています。
彼は長期的には一人で暮らすことが最善だと考えています。彼の親しい友人は離婚を経験しました。彼は家族が崩壊する様子を目の当たりにしました。多くの口論、悪口、絶望がありました。彼は、一人で暮らすことは良くないかもしれない、しかしながら自分にとっては、常に理想的ではないとしても、ひょっとしたらやはり最善の選択であるかもしれないと自分に言い聞かせました。ただし、同僚や友人の間では話さないことを、話せるような誰かを近くに持っていたいとちょっと感じることが再三あります。
彼にとって、一人暮らしの良いところは、やるやらないを自分の意志でできることにあります。自分自身のために、すべてを一人で決定できます。それは彼にとって自由の一部です。友人の結婚生活を見て、この自由がどれだけ早く失われ、大きな愛が日常生活のために犠牲にされることを目撃しました。これを目の当たりにしたことは、彼にとって印象的だと思いました。
彼は今では47歳です。もっと若いころは、彼は長期的なパートナーシップにおいて生活することを想像できましたが、ただ子供を持つことだけは望んでいませんでした。彼はおそらく子供に対する責任が生まれることを恐れていたのでしょう。彼が育ったのはカールスルーエの近郊でした。彼は高校卒業資格を取得せず、中等教育まで学校に通いました。職業訓練を受けてからようやく、彼は専門単科大学の資格を取得し、二次的教育システムで学業を続けました。彼は多くのことを成し遂げましたが、家庭を築くことには自信がありませんでした。しかしながら、それゆえに彼は何も欠けていると感じていませんでした。
ライヒェンバッハさん(Frau Reichenbach)は66歳です。彼女は外国語通信員でしたが、現在は北海にあるフーズム(Husum)の築90年の家の小さな住居で年金生活を送っています。彼女は金銭面で決して男性に依存するのではなく、自分でお金を稼ぎたかったのです。彼女は世界を知り、人生を楽しむことを望んでおり、それを実現もしました。もちろん、それには恋愛関係も含まれていました。しかしながら、彼女は常に自分の興味を後回しにしていました。
彼女は例えば、いつも自転車に乗るのが好きでした。しかしながら、彼女がちょうどパートナーを持っていたときは、そのパートナーがそれを好まなかった場合、彼が彼女に求めなくとも自転車に乗ることをやめました。恋愛関係が終わったときには、また彼女のパートナーの他の興味に配慮することなく、パートナーが全く望まない場合でも、自分がしたいことを再びすることができることを、いつも満足して喜んでいました。
彼女は自分の人生で子供を持った家庭生活を想像できませんでした。そこで彼女は26歳のときに、妊娠できないようにするために避妊手術を受けました。その決断を決して後悔したことはありませんでした。彼女がそのフランス人の男性と知り合ったとき、フランクフルト・アム・マインに住んでいました。彼女が子供を望まないことを彼は受け入れました。そして、彼らはアルザスに引っ越しました。そこで彼らはフランスに住むことになりましたが、彼女はそこから引き続きドイツで働くことができました。彼は飲食業界で働いていました。しかしながら、彼は失業し、多くのアルコールを摂取するようになりました。一方、彼女は働いて2人の生計を立てていました。
彼は飲食業界で働いていました。しかしながら、彼は失業し、多くのアルコールを摂取するようになりました。一方、彼女は働いて2人の生計を立てていました。しかし、この状況はうまく行きませんでした。
今や彼女は一人で幸せであり、満足しています。彼女は一人で暮らしていますが、寂しいとは感じていません。彼女には多くの女性の友人がいますが、フーズムに住んでからは彼女たちとはインターネットを通じて連絡を取り合っています。また、フーズムには彼女にとって好感の持てる隣人もいます。彼女はその女性とはますます頻繁に会って、お茶を飲みます・・・。
さて、多くの「シングル」は、適切なパートナー、最良の場合は一生のパートナーを探しています。しかしながら、本当に大きな永遠の愛は存在するのでしょうか?一部の人々はそれを見つけたと考えている一方で、他の人々はもう信じていないか、一人暮らしの生活を悪く思っていない、いや実際にはかなり良いとさえ思っています。今回インタビューに答えてくれたヴァイヒャートさんとライヒェンバッハさんもその中に含まれます・・・。
今回の放送は、上記の導入部のナレーションでスタートし、司会役のビーレンベルクさんがシングルの生活を実践している二人を自宅に訪ね、インタビューした内容で構成されています。シングルと言っても、いわゆる「根っからの独身主義者」というわけではなく、パートナーとの生活を経験した後で、今は一人で生きることを選択しています。
テキスト35ページにおいては、ライヒェンバッハさんの発言として、Alleinsein(「一人でいること」)は一種の状態であり、Einsamkeit(「孤独であること」)は感情です、そして彼女はEinsamkeitを知らないということが紹介されていますが、この言葉は私にはとても印象的であり、なるほどと納得した次第です。Alleinseinは客観的な「状態」であり、Einsamkeitは主観的な「感情」であるとも言えます。
ところで、47歳のヴァイヒャートさんは現在の一人での生活に満足していますが、番組の最後の方で語っている以下の発言からは、パートナーとの生活を完全には否定するまでには至っていないという印象を持ちました。「私は、パートナーに出会うことで人生を豊かにできると感じています。それは私にとってわくわくすることでもあります。・・・私が明日スーパーマーケットに行って、豆の棚の周りを歩いていると、そこに私の理想の女性が立っているかもしれません」という発言からもそれがうかがえます。
また、66歳のライヒェンバッハさんはヴァイヒャートさんとは少し異なり、現在では一人で生活することが最善であると結論を出し、それを実践しているようです。そして自分に必要なのはパートナーではなく、友人であると断言します、番組の最後の方で語っている以下の発言からもそれがうかがえます。「私にとって、友情は、今ではそうであると信じていますが、以前からも、どんなパートナーシップよりも重要で価値があります。すべてのパートナーとの関係は最初の興奮・高揚感の後にはいつも失望が訪れます。彼女の友人たちとは異なり、パートナーは時間とともにますます配慮に欠けるようになります」
それにしてもライヒェンバッハさんは、26歳の時に妊娠できないようにするために避妊手術を受けたことに私は衝撃を受けました。自分の人生で子供を持った家庭生活を想像できなかったためということが理由でしたが、まだ26歳で後戻りできない決断をしたことには驚きます。子供を持ちたくないということであれば他にも複数の避妊の選択肢があると思いますので、避妊手術までするという徹底ぶりには驚きます。女性が避妊のため手術まですることがドイツではどれくらい普及しているか分かりませんが、決して多数派ではないだろうと思うのですが・・・。放送を聞いた時のドイツのリスナーの皆さんの反応はどうだったのでしょうか。私と同様驚いたのか、それとも当然の決断だと思ったのか、興味が沸くところです。
さて、ライヒェンバッハさんは66歳、ヴァイヒャートさんは47歳と大分年齢も異なるわけですが、一人で暮らすことに納得しながらも彼らの考え方には違いがあるようです。しかしながら、そのような違いがある一方で二人に共通していると思ったのは、子供を持つことは考えられないという点と自分が強く引きつけられる興味・趣味を持っていることにあると思いました。
ところで、テキスト37ページにnach dem kleinsten gemeinsamen Nenner suchen (最も小さい共通の分母・基盤を求める)という興味ある表現とその説明として脚注にBei Brüchen steht unten der Nenner. Zum Addieren bringt man sie auf das kleinste gemeinsame Vielfache als neuen Nenner. (分数においては、分母は下にあります。足し算をするにはそれらを最小公倍数に揃えて新しい分母にします)という説明が記載されていました。Mathematik用語のNennerという単語の使われ方だけでなく、分数についての説明に興味を引かれましたし、ドイツ語での説明が新鮮に感じられました。分数計算のやり方については日本語では当然理解していることですが、ドイツ語を勉強している中でも普通は算数・数学用語は出てきませんので、おもしろいと感じました。これを機会に記憶しておきたいと思いました。尚、「分母」だけでなく、「分子」や「最小公倍数」のドイツ語訳についても、私は知りませんでした。「分子」は手元の辞書によりますと、der Zählerと表現するようです。
また、「加減乗除」についても一部私の知らない単語があり、調べたところ以下の通りです。「足し算」はdie Addition、「引き算」はdie Subtraktion、「かけ算」はdie Multiplikation、「割り算」はdie Division、さらに「かけ算」の結果の「積」はdas Produkt、割り算の結果の「商」はder Quotient、「余り」はder Restと表現するとのことです。またそれぞれの計算をするときの動詞もありましたが、ここでは割愛します。
K. K.